ゲティンゲと富士レビオのパートナーシップは、価値の創造が鍵となっています。富士レビオでは、事前検証済みの新しい洗浄ラックを活用して、マルチユースバイオリアクターの標準洗浄プロセスを作成することにより、作業時間を節約しながら、より多くのがん診断用抗体を生産できるようになりました。
富士レビオのストーリー
ハイブリドーマ細胞の培養
国際的なバイオテクノロジー企業である富士レビオは、1950年に日本で創業して以来、がんの診断を専門としています。同社のスウェーデンでの拠点は、ヨーテボリのすぐ南、ライフサイエンス分野のイノベーションが集まるGoCoヘルス・イノベーション・シティの最新の研究所です。
私たちはバイオリアクターでハイブリドーマを培養して抗体を生産しています。これは、最終的にはがん患者のモニタリングに用いられる臨床検査製品となります。こうした検査によって、医療スタッフは治療状況を追跡したり、患者がどのような種類のがんに罹っているかを判断したり、治療が計画通り進んでいるかを確認したりしています。
外科的処置の代わりに血液検査でがんの種類を明らかにするというのは魅力的な選択肢であり、世界的に需要が高まっています。
「十分な量の抗体を生産するには、細胞培養をスケールアップする必要があります。そこで私たちは、環境に優しいマルチユースバイオリアクターであるゲティンゲのApplikon(アプリコン)を使っています。これならシングルユースシステムの配送遅延リスクも抑えられます」と、富士レビオの細胞培養・バイオ試薬精製部門の製造スペシャリストであるカーリン・ヴェーネルハヴ(Karin Vänerhav)は語りました。
バイオリアクターの洗浄プロセス
マルチユース・バイオリアクターの課題の1つは、培養の都度、徹底した洗浄が必要であるということです。同じ用途のためであれ、まったく異なる用途のためであれ、バイオリアクターの全コンポーネントと培地は、効果的で再現性のあるプロセスで準備がなされている必要があります。
富士レビオでは、これまで手動で洗浄プロセスを実行する必要がありましたが、繊細な部品にも対応しているゲティンゲの洗浄ラックにより、すべてを自動洗浄できるようになりました。
ゲティンゲのカスタム洗浄ラックは、このようなプロセスに取り組んでいる顧客をサポートしてくれます。徹底的な洗浄により再現性が向上し、労力は減りました。洗浄ラックのおかげで、同じ方法でくり返し洗浄する標準洗浄プロセスを作ることができ、とても助かっています。
自動洗浄の利点はオペレーターのミスをなくすこと以外にも多数あります。サイクルフェーズをプログラムでき、化学薬品の取り扱いを最小限に抑え、水使用量の予測・管理・削減ができ、バイオリアクターの操作を減らすことで労力を削減して人間工学的に優れた職場にできることなどです。
バイオリアクターの滅菌プロセス
富士レビオのラボでは、バイオリアクターや新設計の洗浄ラックを備えたラボ洗浄機の他に、ゲティンゲの滅菌器も導入しています。カーリンとリーナは、ゲティンゲのソリューションとパートナーシップの両方を高く評価しており、また、サービス技術者がいつも電話一本で駆けつけてくれるという事実も重視しています。
培養プロセス
「これは素晴らしい協力関係です。これほど積極的でソリューション主導型のパートナーが、最良の培養プロセス環境を作るためのサポートをしてくれることに感謝しています」とリーナは語りました。
彼女はプロセスについて、そして細胞を思い通りにすることの難しさについて、熱心に話しました。
「栄養や温度などの培養条件と関係があるのです。私たちは、細胞ができるだけハッピーであるために、できる限りのことをしています。細胞が成長すると、その数はさらに増えます。そして、細胞数が多ければ、それだけ多くの抗体を生産することができます。希望を与えたり命を救ったりといったことと同じぐらい重要な何かに貢献できるのは、とても気持ちが良いことです。」